投資には勝利よりも勝ち誇るに値する敗北がある

失敗に学びながら投資で一本立ちを目指すフリーランスの日記

太陽光発電を1年運用してみて、10の思ったこと、考えたこと。

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節税商品として、

不動産投資の選択肢として、

中小企業のオーナー、個人投資家がいろいろ参戦した太陽光発電事業。

 

私も1号機が連携、稼働してから1年が無事すぎましたので、

良かった点、悪かった点、まとめてみたいと思います。

ちなみに低圧なんで高圧ものはわかりません。あしからず。

 

来年3月までの連携物件なら滑り込みで生産性設備投資で100%即時償却もまだ可能なので

検討中の方に参考になればと思います。

 

1.ぶっちゃけ儲かるのか?

あんまり儲かりはしません。

初年度に2500万

20年分の賃料や経費500万(毎年払い)

の3000万を突っ込んで、4000万を取りに行く、くらいの感覚でしょうか。

 

どういう計算方法で出すかで利回りって変化しするので

大体10%前後の利回りをうたっている物件が多いですが、

実際はこんなもんです。

 

1000万を20年で割ると、年50万です。

50/3000だと1.6%。

銀行に預けるよりは、ってな感じです。

 

2.シミュレーションどおりに発電してくれるの?

シミュレーションとの比較です。

2015 購入電力量(kWh) 想定発電量(パネルメーカー) 達成率 購入電力料金(円) 1日あたりの平均
1 4,872 3,740 130.27% 189,423 139
2 3,763 4,380 85.91% 146,305 130
3 4,667 5,176 90.17% 181,452 167
4 6,033 5,913 102.03% 234,563 189
5 7,113 6,124 116.15% 276,553 229
6 5,763 5,219 110.42% 224,065 180
7 4,486 5,631 79.67% 174,415 150
8 6,574 5,883 111.75% 255,597 219
9 4,291 4,860 88.29% 166,834 153
10 7,070 5,182 136.43% 274,881 221
11 5,054 3,945 128.11% 196,499 168
12 2,971 3,767 78.87% 115,512 106
           
合計 62,657 59748 104.87% 2,436,099 171

 

まだ1年なのでなんともいえませんが、

一応シミュレーション通りといってもいい結果が出ています。

ただ想定シミュレーションに対して78%〜136%まで

振れ幅はでかいです。

1年ならしてトントンになっていますが、正直こんなに幅が出るとは

思っていませんでした。

来年はもう少し晴れの日が多くなることを祈るだけです。

また休業補償は前年度の月をベースに考えられるので

来年は7月と12月だけは故障することを避けたい月でもあります。

こうしてみると5月と12月で1日当たりの発電量が倍以上差があるので

夏の日照時間の長い時期にいかに取りこぼさないかが

太陽光発電投資の肝になるんだろうなあと思います。

 

3.売電代金もちゃんと振り込まれる?  

購入し、連携までは業者が入ってますが、

連携後引き渡されると私と電力会社とのやり取りになります。

もちろんフォローや相談は業者とできますが。

で、管理を私と業者の間で契約を結ぶことになります。

 

なので振り込みは毎月電力会社から入金されています。

遅れたこと、間違っていたことはありません。

当たり前といえば当たり前ですが。

インフラを担う電力会社が資金が回らないということも

ないとは思うので安心してます。 

 

パワコンの電気代が毎月400円弱請求されるのが

帳簿の入力の作業が発生してめんどくさいですが。

 

4.不動産投資と何が違うの?

これは不動産による、です。不動産の方が高リスク、高リターンだと思います。

私の購入した太陽光は賃貸で、

20年後、機械設備を無料譲渡することで

撤去費用を免除してもらう契約になっています。

国が固定価格で買い取ってくれるのは20年間なので、

そのあとは土地持ちなら続けるという手もありますが、

そうでなければ土地の処理に困る可能性は大です。

20年売電の固定価格の保証というところに価値がついているので、

機械装置自体については価値は数年でほぼなくなるといってもいいでしょう。

 

不動産に例えるなら 残り20年の借地権物件で

20年一括借上になっているようなイメージでしょうか。

一括借上の不動産は数年ごとに家賃の見直しが入るんで

想定よりうまくまわらない、という声も聞きます。

でもボロアパートリフォームしてウハウハみたいな本も見るので

やり方次第なんでしょう。

 

太陽光は収益が売電額20年分なんで

上ぶれなんてたかがしれているので(急な気候変動で日照量に大幅な変化がない限り)

どれだけ平穏に施設を稼働させ続けて、20年の期間中取りこぼさないかが肝です。

 

5.途中でやめたり、売却できたりすることはできるのか。

太陽光はこれからできるかどうかわかりませんが

今の所中古市場が整備されているとはいえる状況ではないので

売却は不動産に比べれば難しく、相対取引になると思います。

努力してみる価値はあるでしょうし可能性もありますが、

当てにしてはいけないと思います。

基本20年売電しきって出口と考えておく方が無難です。

 

6.トラブルや心配事ってどれくらいあるのか。

1年間であったトラブルを上げていくと、

・パワコンが9台中1台遠隔監視機能に初期不良

発電には影響出なかったが、しばらく遠隔監視が見れず。無償交換。

 

・政治的要因で認可の見直し等マスコミで騒がれて
太陽光自体のビジネスモデルに暗雲が。

結果問題なく、また一度施工した法律を遡ってひっくり返すことも

できないもんなんだなと、身を以てわかり、

結果いい経験だったとも思います。

ただ周りから大丈夫?みたいなことはいわれましたね〜

 
・遠隔監視のサーバーエラーにより異常な売電量が表示される

サーバーの再起動等で修復しました。

 

・僕の区画ではないが、1台パワコンのケーブルが焼け落ちる。

 

・トラブルにはならなかったが、水はけ用の溝が枯葉や草で詰まりそうになる

事前に管理会社が見つけて処理したので問題なし。

 

・台風で太陽光パネルが飛びまくっている映像がニュースに

私の発電場所では問題はありませんでしたが、

あわてて現地に目視確認を頼みました。

 

・落雷で設備が故障した事例が太陽光投資をしていらっしゃる方のブログで報告される。

そういうこともあるのかと、リスクをあらためて感じました。

 

・梅雨が思ったより長く夏場の発電が伸びきらない。

秋に晴れが続いた時期があり、それで年間はトントンになりました。

 

 みたいなことがいろいろあり、完全ほったらかし、ってわけにはいきません。

不動産みたいに人間を相手にしていない分、トラブルは粛々と処理すればいいので、

気は楽ですが、その分取りこぼさない前提の投資なので収益機会が削がれることにキリキリします。

 

7.節税効果ってどうなの?

これは使い方によってはかなり有用です。

 

2014年はグリーン税制

2015年は生産性設備投資というのを使って一括償却でします。

 

土地の代金もしくは賃料や、メンテナンス関係は一括で落ちませんが、

パワコンとパネル、その設置費用等をきちんと申請すれば一括償却できます。

2000万とかの損金を作れるのは非常にでかいです。

保険等に比べてかなり有利です。

もちろん借りるなりしてお金はを一度用意しないといけませんが。

 

あと節税といっても、後々上がってくる売電収入に対して税金がかかってくるので

利益を細切れにして先送りにする感じです。

累進課税のことや、小額の利益ならば節税していくkとは比較的簡単なので

期間限定ですごく収入が上がる場合は相殺させるとすごく有用です。

 

8.融資ってうけられるの?

これは今となってはほぼ無理です。

2014年のグリーン税制がある頃は

公庫も今よりさらに低金利でかしてくれましたし、

銀行にも太陽光用の融資があったり。信販会社もこぞって参入してました。

 

2014年末に国会等で太陽光の買い取り価格が高すぎて

消費者への電気代の転化等がマスコミや国会で取り上げられるようになり、

一気に貸す側の財布の紐が固くなりました。

グリーン税制が終わるとそれはもうなかったかのような、めっきり日陰に。

太陽光の融資もぱったりなくなりました。

 

私は公庫に1基目を繰上げ返済していた実績と、

うまくネゴしてくれたおかげで

2基目用の融資を公庫から受けられましたが

借りられる枠は2000万までで、

1基目よりも高い金利で借りています。

 

あと太陽光は不動産みたいに担保として設定してくれないので、

自前の信用でしかもう融資は受けられません。

太陽光は不動産を担保に入れて次の不動産、みたいに加速していけません。

無茶しなくていいといえばそうなんですが。

 

9.業者の選定ってどうしたらいいの? 

これはもう、運と相性です。

こまめに連絡がつく担当者がよければそういう担当があたるまで業者に

いろいろ問い合わせるしかないです。

私も最初はいろんな業者に問い合わせして、

すぐにレスが来るかどうかで最初は絞り込みました。

 

あとはパーッケージ化して大体太陽光を売っているので

商品の売り出し方を見ればなんとなくわかります。

 

とにかくオプションは全部別料金で安く買えるようにするところ、

保険もいろいろ込みになていて、価格は高いけど

追加費用が基本かからないような感とか。

 

どっちも一長一短なので自分の性格の合う方でやればいいと思います。

基本太陽が照っていれば発電してくれるので

機械装置としてはそこまで複雑なものではないんで。

 

ちなみに私は後者の高めの価格だけど、

比較的サービスがよい業者にしました。

なんで利回りは正直そんなによくはないです。

でもレスポンスの早さ、対応等に満足はしています。

 

それなりに業者にも利が乗らないと、その業者の安定経営にもつながらないし、

それが脅かされると安定管理も脅かされるのでそれでよいかなと思っています。

個人的には節税がおおきな動機でもあったので。

 

10.結局人に勧める?

これは、法人を持っていて、節税商品を求めていて、

価格やその他の状況が合い、

かつ投資資金を用意できるならオススメします。

純粋投資であればおすすめしません。

なんといっても節税です。

2000万の損金って、30%で考えても600万あるので

それを先送りながらうまく処理できるなら、

トントンで運用しても600万利益が上がるということです。

一応20年で1000万儲かる想定ではあるんで

多少の出費や発電できない時期があっても吸収できるので

損する確率は低めだとおもいます。

 

もちろん戦争なったりすればもう保険のカバーとかきかなくなるので

(保険は自然災害はカバーしてくれても戦争は普通カバーしない。ミサイルで破壊されたら泣き寝入り。)

 リスクは存在しています。

 

なんで私のまわりに該当する人もいないので、

勧めたことはありません。

 

中小企業のオーナーや、不動産投資をいろいろやってるバリバリの大家さんとか、

そういう人がよくやっているみたいです。

 

みなさんに何か参考になれば。